岡田斗司夫×山本寛対談からアニメーション業界の現場を考える。
2019/02/07
アニメ関連の記事を読んでいたら見つけた、少し前の記事「岡田斗司夫×山本寛 対談」について、今回はご紹介していきます。これを読むとアニメーション産業の現状がよくわかる内容になっていました。
大雑把に対談の内容をまとめてみました。元の記事も合わせて読んでみてください。
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■元記事
http://originalnews.nico/4815
「2016年はアニメの大豊作年」と言われているが、そのいっぽうで供給が間に合わず放送延期が続出するという異常な事態が起こっている。原因は制作現場の過酷な労働環境にあるとされているが、業界のブラック化に改善の余地はあるのだろうか。
潰れる会社がある一方で、仕事がいっぱいありすぎて制作が追いつかない会社もある。
潰れた会社:ファンタジア
本数が多すぎる。受けるだけ受けて、あとはグロス受けしてくれるところに流すやり方。
人的リソースはいないのに、企画だけはたくさんある。
受けたはいいけど作る人もいない。
さらに追い討ちをかけるように中抜きでドーンと持っていかれる。
現場にお金が落ちない。だから、人が集まらない。だから放送落ちる。放送事故なんてことも最近あった。10月クライシス。
TVアニメ1500万円で作れると言われてはいるものの、実際はもっと必要だ。
テレビドラマなら1時間5000万円かけている。30分なら2500万円。
少なくとも、TVアニメも2500万円くらいの制作費が必要だ。
しかしながら、構造的に人的要員が多いので、全ての人に分配してもなかなか富が行き渡らない。
なのに1500万円で仕事を取って来てしまう。
でもクリエイターは好きだから作っちゃう。
なので1500万円がまかり通ってしまう。
だが円盤も売れないので、今更2500万円必要だと言ってもなかなかそんな要求も通らない。
そして今年もNHKでアニメーターの低賃金問題が取りざたされる(笑)
負のスパイラルに陥っているのが今のアニメ業界産業の現場である。
2017年の市場調査で、初めてアニメ産業の市場規模が2兆円を突破したというニュースもありましたが、一方で、現場のアニメクリエイターの労働環境や給料の問題はかなり深刻な状況に変わりはありません。今回の岡田斗司夫さんと山本寛さんの対談で、それがよく分かると思います。
制作会社が増えすぎても良くないというのが、筆者は知らなかったので驚きでした。企画は増えるが、それを作る人材が圧倒的に不足している。また、安い値段で仕事を受けるだけ受けて、制作が追いつかずにTV放送に間に合わないといった事故も起きるほど。常にアニメの現場は時間に追われた業界なのだと改めて実感します。
人口が減っていくであろう日本でさらに優秀なアニメーターの人材確保が難しくなっていくであろう状況で、少しでも絵描きを志す人たちの目標がアニメに傾くようにしなければ、産業の健全な発展は遠のくばかりなのではないでしょうか。