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製作委員会方式でアニメを作る仕組みと歴史

      2019/02/06

 

アニメーション業界に関わる仕事には、様々なものがあります。前回はアニメにおける「制作」と「製作」の違いについて簡単に説明しましたが、今回はアニメの「製作」ついて話すのに必ずでてくる「製作委員会」を取り上げてみます。

 

これを知ることでアニメーションが作られる仕組みを知ることができ、同時にアニメにはいろんな形で仕事として関わることができることに気づくことでしょう。

 

■製作委員会方式って何?

商業アニメーションを作るには、お金がかかります。TVアニメ一本1000万円〜、劇場大作だと数億円にまで及ぶアニメーションの製作費。良いアニメ作品を作るには、一個人の資金では到底まかなえない金額が必要になります。

 

しかも、リスクまで付いてきます(笑)良いアニメを作ったとしても、それが劇場であれ、DVDあれ、売れるかどうかはわからないからです。

 

売れるかどうか定かではないアニメを作るのに製作費を1つの企業だけが出資するのは割に合わない。そんなリスクを減らすべく登場したのが複数の企業が共同で出資する「製作委員会方式」によるアニメ作りです。

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■製作委員会方式のメリット

主に出資元になるのは、広告代理店、テレビ局、出版社、レコード会社、おもちゃメーカーなどなど。これらの企業が共同して出資することで、アニメがヒットしなかったときのお金のリスクを分散することができるのです。

 

メリットはそれだけではありません。売り上げアップにも繋げることができます。共同出資した企業たちには、二次利用するための著作権も得ることができるのです。

 

アニメキャラのグッズ販売、関連書籍の出版、サントラCDの販売、アニメDVDの売り上げだけを製作資金の回収に当てるのではなく、こうした二次利用によって販売されたものによる売り上げアップで資金を回収、さらなる利益に繋げていけるようになります。

 

■製作委員会方式の歴史

wikipediaを始め、いろんなサイトで調べる限り、製作委員会方式が広まったはじまりは「風の谷のナウシカ」や「AKIRA」の成功があったからのようです。

 

そして、「新世紀エヴァンゲリオン」によって爆発的にこの方式が広まり、現在ではほとんどのアニメ作品が製作委員会方式をとって作られています。

 

エヴァンゲリオンって作品の内容だけじゃなくビジネスの面から見ても革命的なものだったんですね。凄すぎます・・・。

 

■最後に

商業アニメーションが作られる仕組みが少しでもあなたに伝わったなら幸いです。製作委員会方式はとても合理的で主流となるべくしてなったという製作の仕組みです。

 

ただ、製作委員会方式にもデメリットがあります。次回は、製作委員会方式のメリットとデメリットを比べ、新しい製作資金の調達について触れてみようと思います。

 

それではまた。

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