アニメとビジネスと私

アニメのビジネスに関する話題のニュースや作品の魅力などを紹介していくブログ。ぜひ覗いていってくださいませ。

アニメ市場の推移|アニメ産業レポート2018年版が公開

   

アニメーションビジネスの現場を把握し、広い認知と理解、そして今後の産業発展を目的とした統計よる市場調査「アニメ産業レポート2017年版」が発刊されました。

サマリー版としてどなたでも無料でダウンロードが可能になっていますので、興味のある方はぜひご覧ください。

<アニメ産業レポート2018年 サマリー版>

日本動画協会

■アニメ産業市場が最高額を上回り2兆9億円に成長

(ユーザーが払った金額を推定した広義のアニメ市場)

リーマンショックや東日本大震災などの影響により市場が縮小した時期もありましたが、2016年度では、ついに過去最高の市場規模2兆円に到達しました。ゆるやかな成長で、今後も拡大に期待されています。

■アニメ業界市場が最高額の2301億円に到達

(全ての商業アニメ制作企業の売り上げを推定した狭義のアニメ市場)

2232億円と、2001年から比べて最高の市場規模になった2016年でしたが、これに対してアニメクリエイターの待遇が改善されているのかというと必ずしもそうではない様子。クリエイターにお金が落ちない今日のクリエイティブ業界の人たちにとってはあまり実感の湧かない印象があるかもしれません。

■ビデオパッケージ売上は大幅ダウンの788億円

2000年の773億円に次ぐ売り上げの低さを記録しました。さらに下げ幅は前年比15.1%とかなり大きな下げを記録しました。

アニメ配信(SVOD〜定額制ビデオ配信サービス)事業が年々増加しており、昨年比プラス9%の478億円となりました。

すぐにビデオパッケージが終焉を迎えるとは考えにくいですが、売上として配信サービスがビデオパッケージを逆転することも、今後はありえるかもしれません。

スマホートフォンとネット回線速度の飛躍的な向上からすると、自然な流れのように考えられます。

今のティーン世代にとってはアニメはTVで観るものという印象ももはやなくなりつつあるかもしれません。

■TVアニメ制作本数も過去最高を記録

2000年の作品数109本から比べると、2016年の356タイトルは実に3倍以上のタイトル数になりました。

これは過去最高の制作本数となっています。

アニメが4クールなどの長期にわたる制作から、1クールを期間をあけて2〜3本といったコンスタントに制作し、パッケージなどの売り上げの様子を見ながら次回作を制作といった、ある意味合理的な制作スタンスに変わって来た影響が多分にあると思われます。

■最後に

2016年は「君の名は」に代表される、劇場アニメ豊作の年でもありました。

スマホゲーム原作のアニメ化や、2.5次元ミュージカルといった新たな潮流も目立つようになり、2兆円を超える市場規模に到達しました。

一方で、以前ご紹介した記事「岡田斗司夫×山本寛 対談」(http://originalnews.nico/4815)にあるように、クリエイターにとって厳しい業界のイメージは未だ拭えずといった印象。

クリエイターの経済的発展があれば、名実ともに夢のある業界になるのではないかと思います。

 

 - アニメニュース, アニメビジネス