神山健治監督に学んだ、作品の面白さを形作る「構造」
どうも、こんにちは。
皆さんはアニメを劇場でオールナイトして
観られる企画をご存知だろうか?
オールナイトで映画を見尽くす!アニメスタイルコレクション
アニメスタイルコレクションという
出版社のアニメスタイルが送る、
アニメ数作品を夜から朝にかけて
オールナイトで見尽くすという熱い企画だ。
いつから始まっているかは詳しく調べてないが、
かなり長い期間続いている企画のようだ。
今回は攻殻機動隊でおなじみの神山健治監督の企画だ。
アニメスタイルコレクションvol.81「神山健治の軌跡」
作品群から選ばれた3作品が上映されるようだ。
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man』
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』
『009 RE:CYBORG』
絶対行きたい!と思ったが、
残念ながらこの日は仕事だった・・・。
ということで今回はうっぷんを晴らすべく、
神山健治監督作品の魅力と監督から学んだ
アニメの見方について、好き勝手に語っていこうと思うwww
神山健治監督から学んだおもしろいアニメの見分け方。
2009年に発売された神山健治監督の著書
「神山健治の映画は撮ったことがない」
だいぶ前に読んだものだが、この本から学んだ
おもしろいアニメの見分け方について、
内容を思い出しながらお話していこうと思う。
よく、「脚本がよく出来ているよね」と言われる
作品について、神山監督は「構造の獲得」がされているかが
重要であると語っている。
神山監督いわく、2種類の「構造の獲得」があるようだ。
①過去の主人公とヒロインとの設定によって獲得される構造
(例)ルパン三世カリオストロの城
ルパンの女好きは周知の事実という設定があり、
カリオストロの城もその設定はもちろんある。
しかし、カリオストロの城が他のルパンシリーズと
一線を画す理由として、クラリス姫との過去がある。
クラリスが今より小さいころ、
瀕死のルパンを助けてあげた。
という過去の設定があることである。
まずは「過去の設定・因縁」が
構造を獲得する要因であるということだ。
②誤解による展開で観客を引き込ませる構造
(例)ウルトラマン、ジョーズなど
ウルトラマンでは、主人公のハヤタ隊員が
ウルトラマンの正体であることは誰も知らない。
知っているのは観客と本人だけだ。
そしてジョーズも同じ要素が入っている。
海水浴場にサメが現れていることは、
既に観客は知っている。
ところが、劇中に人物たちはそれに気づかず、
海水浴場の客が減ることに対して快く思わない
市長はサメの存在を否定しようとする。
ウルトラマンしかり、ジョーズしかり、
劇中の人物たちと主人公との間に生まれる誤解。
その誤解を知っているのは、本人と観客のみ。
この誤解から始まる物語の展開によって
構造が生まれるということだ。
構造とは、主人公と観客だけが知っている秘密ということ?
この2つの構造の獲得について学ぶことができたのだが、
ここで自分なりに構造というものについて考えてみた。
主人公と観客だけが知っている秘密。
この秘密の情報が、常識から逸脱していない、
整合性のとれた魅力ある情報である時に、
人は作品に、キャラクターに感情移入できるのではないか?
そして、物語を通してキャラクターに
感情移入できた結果として、
「脚本が良かった」
「おもしろかった」
と言わせることができるのだろう。
そう僕自身は考えている。
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今日はこの辺にしておこうと思う。
おもしろいアニメ・映画・ドラマ、どれでも
物語を進めるあたり、その過程で生まれた構造があること。
これを自分なりに再確認する意味でも
この記事を書かせてもらった。
おもしろいアニメの見分け方として、
「構造の獲得」ができているか?
「感情移入できる」物語・人物になるか?
これらを意識して作品を観てもらうと、
作品の深い理解にも繫がるのではと考えている。
それではまた!