アニメとビジネスと私

アニメのビジネスに関する話題のニュースや作品の魅力などを紹介していくブログ。ぜひ覗いていってくださいませ。

押井守監督の力作「御先祖様万々歳!」レビュー

      2019/07/20

今回は、鬼才 押井守監督が手がけたアニメ作品「御先祖様万々歳!」をご紹介していきます。

「御先祖様万々歳!」は知る人ぞ知るといった作品で、押井守監督の最高傑作の一つとも言える作品です。

 

スポンサーリンク

御先祖様万々歳!概要

スタジオぴえろ設立10周年を記念して製作されたOVA作品で、原作、脚本、監督を押井守が担当。

キャラクターデザイン・作画監督には現在は超有名となったアニメーター うつのみや理さんが起用されています。

音楽には川井憲次と、これまた押井監督との最強のタッグが実現しています。

全6話から構成され、それぞれ30分程度で、全部を視聴しても3時間程度と、コンパクトな仕上がり。

忙しい人にもとっつきやすい尺かなぁというところですね。

一般的な?家庭:四方田(よもた)家に突如現れた美少女 麿子。

主人公である高校生の四方田犬丸(よもたいぬまる)の孫娘だと訴え、おじいちゃんに会いたいがために未来からやってきたと言い張る。

突然のSF展開に困惑しながらも、麿子の存在を受け入れようとする犬丸と父親の甲子国(きねくに)に、母親の多美子は反対し家を出て行く、、、、。

一家の離散・崩壊をSF要素満載でコミカルに描かれており、全編を通して舞台演劇のような演出と超大作並の映画音楽が作品の独特な雰囲気を醸し出しています。

 

豪華声優陣の演技を堪能

全体的に押井守節が炸裂する本作では、キャラクターの長ゼリフが多用されています。

その声を演じるのは、主役・犬丸役に古川登志夫。

ヒロインの麿子役に勝生真沙子。

父親役に緒方賢一。母親役の鷲尾真知子。

未来から来たタイムパトロール役の室戸文明に、玄田哲章。記者役の山寺宏一。

そしてナレーションが永井一郎と、超豪華声優陣が名を連ねています。

映画が役者の演技によって決まるのであれば、この声優陣は名前を聞いただけでも良作だと思えるくらいの実力者ばかり。

そして実際に、彼ら彼女らの声の掛け合いは素晴らしく、アドリブのようなガヤなど、随所にその迫力と面白さが散りばめられています。

 

舞台演劇を意識したカメラワーク、美術設定が物語へ誘う

舞台演劇を意識したその演出は押井守監督作品のなかから見てもかなり秀逸。

設定が部屋の中などを映したものでありながら、そのカメラは望遠レンズで撮影したようなレイアウト構成となっているのも特徴的な演出。

饒舌に話すキャラクターを遠くから映した映像は、よりドラマチックさを演出しています。

筆者が初めてこの作品のカメラワークを観たときは、それはかなりの衝撃でした。アニメってこんな風にも作ることができるのか。とその幅広いアニメの表現方法に度肝を抜かれた当時の衝撃は忘れることができません。

 

川井憲次の音楽がドラマを引き立てる

「攻殻機動隊」
「劇場版パトレイバー」
「御先祖様万々歳!」

押井守監督作品には欠かせない川井憲次氏の音楽。

彼が作曲する重厚な映画音楽は、OVAという、この作品が製作されたパッケージではもったいないほどの素晴らしい楽曲です。

彼の音楽が、コミカルなシーンを描いている本作では合わないか?というとそうでもなく、むしろそのシリアスさが滲み出る楽曲が、ドラマチックさをより引き立たせています。

そのバランス感が視聴者をグッと物語に引き込んでくれます。

 

有名アニメーターが多数参加の本作

作画に関しても声優陣に負けず劣らず豪華なアニメーター陣が揃いました。

うつのみや理さんが描くキャラクターは、好みとしては分かれるかもしれませんが、シンプルながらも愛らしさを感じさせる素晴らしいキャラクターデザイン。

また、動きとして面白さもアニメーションの本質である「動きの面白さ」を堪能できるカットがいくつもあります。

作画ファンの間でも非常に人気の高い作品になっています。

今回はアニメ「御先祖様万々歳!」についてご紹介してきました。

本作をまだ観たことのない人はぜひ一度手にとって観ていただければと思います。

 

 - アニメ作品紹介 , , ,