【製作・配給・興行】映画が上映される工程とお金の流れ
2019/02/06
今回は映画が作られ、私たちの住む近くの映画館にやってくるまでの過程について、簡単にご紹介していきます。
この仕組みを知ることで以前から何度か取り上げている「製作委員会方式」についての理解も深まります。
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映画には大きく分けて3つの過程があります。「製作・配給・興行」の3つですね。それぞれどのような役割を持っているのでしょうか?
【製作】
映画の企画を立てて作る過程。映像製作プロダクションなどが行う。
角川映画、松竹、円谷プロダクションなどがこれにあたる。現在は製作委員会方式により、共同出資で製作されることが多い。
【配給】
作られた映画を購入し、宣伝を行う。映画配給会社が担う。
一例としてワーナーブラザーズジャパンが配給部門を設けておこなっている。
【興行】
映画館や映画興行会社が担う。配給会社に映画料を支払い上映する。
ワーナー・マイカル・シネマズ、ユナイテッド・シネマズといった外資系興行会社が現在は主流。
映画は作られて終わりではなく、配給と興行があって初めて私たちのもとに届けらます。
次に上映された後のお金の流れについてです。これは単純に、今の工程の逆からお金を持っていく流れになります。
【興行収入】
映画館の入場料の合計。ここからお金が各工程に流れていく。
【配給収入】
興行収入から映画館や映画配給会社への配分を差し引いた額。ここの配分は40%〜70%と言われていて、はじめに配給会社と興行会社とのブッキングにより契約される。
【映画料】
映画館や興行会社が配給会社に支払うお金。映画を上映するための権利がここで取引される。
【配分金】
トップオプとも呼ばれる。配給収入から宣伝費と配給手数料が配給会社へと支払われたその残りが製作者側に渡る。
上から順に見ていくと分かりやすいかと思いますが、映画を作った人たちがお金をもらうのは最後だということです。
つまり、売上次第では、映画を作った人たちへ渡るお金は少なくなるということです。悪ければ赤字ということも大いにあり得る話ですね。
ここで登場してくるのが「製作委員会方式」です。
共同で出資し、売上が悪かった時のリスクを減らすこの方式が自然と映像制作の主流になっていったということになります。
アニメーションも例外なくこの流れがここ何年も続いている理由にはこういったものがあるんですね。
いかがでしたでしょうか。映画が作られ、上映されるまでの過程を知ることで、現在の映像製作の現状が見えてきたと思います。
アニメーションや映像業界でのビジネスを考えるうえで、映画の構造を理解することがとても重要であることを肝に命じていきたいですね。