アニメ「あしたのジョー2」全話鑑賞完了レビュー
2019/02/14
dアニメストアで1週間で46話観てしまいました。
これだけあっという間にテレビシリーズをハイペースで見たのは数少なく、覚えている限りでも少女革命ウテナと赤毛のアンくらいしか思いつきません(これもあくまで筆者目線)。
ということで今回はテレビアニメ「あしたのジョー2」について、筆者が全話鑑賞完了を報告するとともに、そのレビューなどをしていこうと思います。
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あしたのジョー2の概要
1980年(昭和55年)10月13日~1981年(昭和56年)8月31日、毎週月曜日19時~19時30分、日本テレビ系放映された作品(全47話)。
前作「あしたのジョー」の全79話を含めると実に126話にも及ぶ大長編テレビシリーズです。
前作の続編だが、下記の再編集劇場版の続きという位置付けのため、ストーリーは力石との対戦後から始まり、カーロス戦までは事実上のリメイクとなっている。
ただし原作やアニメ前作にあった矢吹丈がドサ回りのボクサーになり、そこから這い上がるストーリーは省略されている。
アニメ初代「あしたのジョー」との違い
初代のアニメ版あしたのジョーに比べ、登場人物の心理表現が丁寧に描かれている印象を受けます。
また、原作にないオリジナルストーリーも多数盛り込まれており、それに応じたオリジナルキャラクターも登場して来るため、原作とは違った内容・ストーリーを楽しめるようになっています。
原作完結が1973年、アニメ版初代あしたのジョーの放映が1970年、そしてあしたのジョー2が1980年の放映となっており、そこまで10年ほどの時間が経過しての続編となりました。
その間に監督である出崎統さん、キャラクターデザイン杉野昭夫さんコンビの作品として数々のキャリアを重ねて来た熟練のクリエイター達のコンビとなり、その作画技術や演出の多彩さに驚かされるシーンがいくつも見受けられる作品です。
出崎統監督の演出の特徴ともいえる、画面分割、透過光、大胆なズームアップ、カットの繰り返しといった撮影技法は、初代あしたのジョーやエースをねらえ!を経た今作でその技術の完成形とも言えるほど、洗練された映像表現を見ることができます。
いまのCGやデジタル撮影では味わえないセルアニメーションの面白さという観点からも、今となっては歴史的な財産であると言い切れるくらいの名作であることは疑う余地もありません。
作画の迫力
連載終了後しばらく、ちば氏はジョーの絵が全く描けなくなったといいます。
その後も「今でもたまにジョーや力石のイラストを描くが、あの頃の迫力には全く及ばない」ともTV番組などで語っており、そのエピソードから、あしたのジョーという作品がどれだけ重みのあるものだったかが想像できます。
アニメ版「あしたのジョー」「あしたのジョー2」においては、作画監督の杉野昭夫さんがキャラクターデザイン含めて多くのキャラクターを描いて来ましたが、その絵の迫力は原作漫画のそれと負けず劣らず凄まじいものです。
カーロス戦で見せる壮絶な打ち合いのシーンではまさに本物のボクシングの試合を観戦しているかのような、むしろそれ以上の感動が沸き起こり、視聴者を釘付けにします。
原作漫画のストーリー絵の魅力、それを高水準で表現しきった作画と演出技法。現代でも色あせない魅力がこの作品にはあります。
非常に長編の作品ではありますが、アニメファンの方であれば必見の作品であることに間違いありません。
ぜひ「あしたのジョー」をご覧いただければと思います。