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アニメスタイルvol.10 情報誌レビュー

      2019/02/13

アニメーション制作クリエイターに焦点を当てたアニメ情報誌「アニメスタイル」。今回はアニメスタイルvol.10についてレビューしていきます。

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アニメスタイルvol.10 目次

特集「甲鉄城のカバネリ」

森山洋のコンセプトアート

荒木哲郎監督インタビュー

スタッフインタビュー

森山洋 大河内一楼 笠岡淳平

江原康之 川野達朗 田中洋之

特集「ポケットモンスターXY&Z」

矢嶋哲生監督インタビュー

原画集

特集「NEW GAME!」

藤原佳幸監督インタビュー

特集「モブサイコ100」

初期デザインラフ 作画注意事項

原画集

立川譲×亀田祥倫が語るメイキングオブ「モブサイコ100」

映画「聲の形」山田尚子監督インタビュー

マンガ「西尾鉄也の明日にはぬかりなくあがります」

マンガ「いちびりの園2016」サムシング吉松

森山洋の仕事

企画連載「企画書サルガッツ」礒光雄

奥付・次号予告

メインは甲鉄城のカバネリの特集記事。豊富な原画や、キャラクターデザイン、コンセプトアートなどの貴重な制作素材が掲載されています。

TVシリーズで最近最もハマったアニメーション作品である「甲鉄城のカバネリ」。クリエイターへのインタビュー記事はぜひ読んでもらいたいです。

制作者のこだわりや作品にかける熱量が体感できる内容となっております。

他にもたくさんの特集が組まれていますが、そのなかから2作品について簡単にご紹介していきます。

森山洋さんから学ぶコンセプトイデザインの重要性

アニメスタイル編集長の小黒祐一郎さんがずっと前から気にかけていたクリエイターのひとりが森山洋氏。

ギルティクラウンや進撃の巨人のデザインなどを手がけた森山氏は、荒木監督とも10年来の付き合いだそう。荒木監督からは「天才の友達」と呼ばれるほどの存在だと本誌で語られていました。

本号で掲載された「甲鉄城のカバネリ」をはじめとした、森山氏のコンセプトアートデザインの数々は、作品の世界観を見事に表現された作品ばかり。

荒木監督曰く、制作の準備段階で、アニメーターなどのメンバーが揃っていない状態でも、森山氏の絵を見せることで「やりたい!」と言わせることができるのだそうです。

確かに原作がないオリジナルアニメーションの制作に至っては、原型となるキャラクター像や物語が不明瞭であることが多いかと思われます。

制作に参加するクリエイターを始め製作委員会として出資してくれる企業に対しても、作品をイメージできる具体的で魅力的なデザインを見せることが必要不可欠です。

そのような観点から見て、森山氏のような優れたデザイナーがいることは、製作者・監督にとってまさに右腕となる絶対的な存在となるのでしょう。

山田尚子監督インタビュー

2016年アニメ大豊作の年。個人的には「聲の形」がこの年ナンバーワンのお気に入り作品となりました。

2回も劇場に足を運んだ筆者は久しぶりにハマった作品の一つです。アニメスタイルvol.10の最後に特集された「聲の形」では監督の山田尚子氏へのロングインタビューが掲載されています。

前年である2015年のTVアニメ「響け!ユーフォニアム」で、演出を担当されていた山田監督は、その後息つく間もなく「聲の形」の制作に移行していきました。

どちらも小手先でできるような作品ではなかったため、スケジュールが逼迫したなかでの制作だったようです。

コンテは順番通りにあげられない

Bパート→Aパート→Cパート。「聲の形」ではこのように絵コンテが作成されていきました。通常は順番通りA、B、Cの順番で絵コンテが上がっていくのでしょうが、山田監督曰く「癖」で順番通りには上がらないのだそう。

全体を通して周囲に気を使いながらのコンテ、作画チェック作業は心身ともに大変なものだったと伺えます。

しかしながら、インタビューからも伝わってくる山田監督の人格あってこそ、周りのクリエイターからの信頼を集め、彼女の作り方に合わせた、「団結したアニメーション制作」ができているのだと感じられました。

まとめ

全170ページに及ぶ本号。今回も濃密な記事が満載でした。2016年は本当に面白いアニメーションがたくさん生まれた年でした。

上記にご紹介した作品以外にも、「モブサイコ100」はアニメーションの「動く絵」の面白さ、気軽さ、などのポップな内容以上に感動さえ覚える作品もあり、その特集記事は必見の内容です。

本号もアニメファンにとって最高のラインナップが揃っているので、機会があればぜひ手にとってもらいたいと願うばかりです。

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