雑誌「アニメスタイル」の魅力
2018/03/24
「アニメスタイル」という雑誌の存在はご存知ですか?知らないという方も大勢いるかもしれませんが、この雑誌は他のアニメ専門誌とは一味違うかなりの専門誌です。「ニュータイプ」「アニメージュ」などのように一般の書店に置かれることはなく、アニメイトなどの専門店か、ネット通販でしか販売されていません。今回は、そんな貴重なアニメ専門雑誌「アニメスタイル」の魅力についてご紹介していきます。
◾クリエイターの仕事に特化した情報誌
編集長の小黒祐一郎さんは、アニメ作品の脚本などにも携わっている雑誌編集者です。アニメの作画関連の知識も豊富で、数多くのクリエイターにインタビューされてきました。そんな小黒さんが編集を務める雑誌「アニメスタイル」は、アニメ制作の最前線で活躍するクリエイターに焦点を当てた情報雑誌。
アニメーターをはじめ、監督・演出家・美術監督・脚本家などへのインタビューから、アニメ作品の魅力を伝えています。最新号2018年12月に発刊されたアニメスタイルで第20号まで発刊されており、2000年の第一号から19年目となりました。
発刊数は他の大企業が発刊するアニメ雑誌と比べて多くありませんが、現在は3ヶ月に1度くらいのペースで発刊され、毎号、非常に濃密な記事でアニメファンに親しまれています。
◾声優さんの情報はほぼない
「アニメが好き」というファンにも様々な層がいます。もしあなたが好きな分野が声優さんだった場合、残念ながらこの雑誌はオススメできません。先の通り、アニメスタイルはアニメーターなどの映像制作クリエイターの仕事に特化した情報誌。この本には声優さんの仕事に関する内容はほぼ掲載されませんので、その点だけ注意しましょう。
他のアニメ雑誌の特集では声優さんに焦点をあてた記事が大多数を占めていて、需要もそちらに多くあるのだろうと伺えますが、クリエイターに焦点を当てた記事を中心に届けられるアニメ専門誌はこの「アニメスタイル」や「アニメビジエンス」など数少なくなっており、現在ではとても貴重な存在です。
◾普段は見られない原画・レイアウト・絵コンテが満載の情報誌
普段テレビで見るアニメーションでは見られない、制作段階の作画が多く掲載されるのがこの雑誌の魅力のひとつです。色がつき、背景が繊細に色彩豊かに描かれ、キャラクターが縦横無尽に駆け回ります。
しかし、その完成された映像が出来上がるには何千枚ものキャラクターをはじめとする絵が手作業で描かれます。その過程でできた生きた原画は、スキャンされコンピュータに取り込まれ、色がついた完成品とはまた違った味があります。
腕のあるアニメーターが描いた線の引き方、レイアウトの構図の取り方や背景美術にイメージボードなどなど。これらのプロのクリエイティブな作品を見ることは、美術館で見る絵画のような崇高さが伺えます。プロの仕事に触れられるのが雑誌アニメスタイルの大きな魅力ですね。
■まとめ
他のアニメ専門誌では、主に声優さんの特集が組まれることが多いなか、アニメ雑誌ではクリエイターに焦点を当て、多くのイラスト・原画・レイアウト・絵コンテを掲載し、アニメーションの映像としての魅力が語られています。将来クリエイターを目指そうしている方はもちろんのこと、アニメを観ることが好きなファンにとっても十分に作品への理解を深められる雑誌になっています。