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フランスと日本のアニメーション産業の違いからこれからのアニメ制作会社をつぶやく

   

だいぶ前のものですが、こんな記事があったので共有しておきます。今回はこの参考記事の内容をもとに、日本のアニメーション産業についてお話していきます。

日本過酷すぎぃ! フランスのクリエイターが語る高待遇な海外アニメ業界

http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1608/30/news086.html

■この記事で書かれていること。

  • フランスのフリーランスクリエイターは、フランス国内で見ても優遇されている。
  • フランスのアニメーターの平均月給は28~50万円
  • 制作会社が多い日本のアニメ業界は価格競争になっていて、クリエイター側に恩恵が少ない。
  • 3DCG・2D手描き、フランスと日本でそれぞれの作画の良さがある。
  • 欧米ではアニメは子供が観るものとされ、暴力・性的表現に対しての規制が厳しい。
  • 日本のアニメは表現の自由さとストーリーテリングが魅力。欧米での流行もそこの新鮮さがあったから。
  • フランスと日本で活躍するクリエイター吉田クリストフさん個人の見解では、フランスは高待遇で快適だが、日本の作品に携わるほうが面白い仕事ができるとのこと。

■日本でのクリエイターの立場はやはり弱い

フランスアニメーターの平均月給の高さには驚きました。日本のアニメーターでも「このくらい稼げるんだ」という将来的な希望があれば、仕事を続けるモチベーションも上がりますよね。

その一方で、アニメーション業界での仕事を志しながらも、最低限度の生活ができず、泣く泣くペンを置き、業界を去ってしまう人も数多くいます。「好きな事を仕事にするのだから給料が安くてもしょうがない」という声も聞きますが、そこを認めてしまうと、業界の待遇改善は夢のまた夢の話になってしまいます。

■クリエイティブの追求と経済的な改善の両立が難しい

規制が厳しい欧米のアニメーション。それに比べて日本のアニメーション作品は、その表現の自由度の広さが魅力なんですね。クリエイターとしての本望がおもしろい作品を作ることだとした場合、日本のアニメーション以外に表現の自由が広く認められている国はなく、とても素晴らしい。アニメファンとしても、これからもいろんな作品がどんどん世に出て欲しい。その思いに疑う余地はありません。

しかしながら、クリエイターの労働環境を考えた時、1日12時間以上働き、休みも週一しかないといったハードワークを強いられながら収入面での大きなメリットが将来的にも見込めないという印象が根付いてしまっている業界の状況は改善していきたいと考えるのも当然のことです。

■制作会社がビジネスとしてのアニメ制作に注力する

制作会社の多さによる価格競争、製作委員会方式の利益分配の仕組みによるクリエイターへの還元の難しさ、労働環境の悪さ、山積みの課題を解決し、日本のクリエイターがより豊かな生活を手に入れ将来の人材が憧れる産業にしていくにはどうしたらよいのでしょうか。

残念ながらその問いへの明確な答えが筆者にはまだ見つからないのがもどかしい限りです。ですが、現時点で筆者はこう考えています。アニメーション制作会社がビジネスの視点から経営を考え、会社自体の利益アップを目指すということです。

クリエイターの賃金アップを目指すには、まず会社自体が儲からないといけません。製作委員会方式による制作会社への手当て以外の収益源を本腰を入れて考えていくのです。制作会社が自ら顧客を獲得し、顧客との関係性を築いてサービスを提供する。企業としての経営戦略を模索していくことが、現状を脱却していく第一歩となるのではないでしょうか。

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