TVアニメ19話の伝説
今回はTVアニメ「19話の伝説」についてお話していきます。19話の伝説とは、筆者が勝手に言っているだけのものではありますが、以前から気になっていたのでお話していこうと。
19話の伝説とは何かというと、TVアニメの19話はめちゃくちゃ面白いということです。数々の名作アニメを見ると、19話がターニングポイントになっていたり、作品の一番の盛り上がりを見せたりと、重要な話がこの19話で語られることが多いんです。
理由は正確には知りませんが、26話、2クール作品だと特に19話あたりが物語の終盤、核心に迫っていく地点となっているのかな、、、と勝手に思っています。今回は、筆者が選んだアニメ3作品それぞれの「19話」についてご紹介していきます。
■新世紀エヴァンゲリオン 19話「男の戰い」
監督: 庵野秀明
脚本:庵野秀明・薩川昭夫
キャラクターデザイン: 貞本義行
絵コンテ :摩砂雪
作画監督 :本田雄
今や誰もが知るアニメ。クリエイター陣も当時から天才的な実力を発揮されていた有名クリエイターが名を連ねていますね。
主人公 碇シンジ君の成長の物語と考えたとき、19話「男の戰い」はエヴァンゲリオンの中でとても重要な話となってきます。いつも逃げ出してしまっていたシンジ君がもう「一度エヴァに乗る」と自ら考え決断するのです。
ドラマ(ストーリー)として最も盛り上がるのがこの19話になっており、それに伴い、クリエイター陣の演出、作画、音楽なども非常に見応えがあります。
本田雄さん描くキャラクターの魅力。礒光雄さんが担当した、覚醒エヴァの四足歩行シーン。カメラを意識した出血の演出。そして、今も心に残る名言の数々。どれも秀逸で、「アニメ」という簡単な言葉では表せないほどのドラマとしての迫力・熱を感じます。
筆者もエヴァンゲリオンはよく観ていて、中でも19話は何度観返したか分からないほど。観るたびに鳥肌が立つほどの感動を覚える数少ない作品のひとつです。
■ベルサイユのばら 19話「さよなら、妹よ!」
監督: 出崎統
絵コンテ: さきまくら
脚本:杉江慧子
演出:竹内啓雄
キャラクターデザイン :杉野 昭夫
諸事情により監督が出崎統さんに交代となり制作が再スタートし、放送された最初の話数。これまでの作品のとはイメージが激変している事が、素人目の筆者にも分かります。
女の子の凶変ぶりのその描写や、大胆な画面構成は、18話までのベルサイユのばらとはまるで違っており、戸惑いさえ感じるところもあるかもしれません。ですが、その人物描写の卓越さが、キャラクターの魅力を最大限に引き出し、視聴者の目はTVから離れなくさせるのです。
ここから出崎統作品の代表作のひとつと言えるほどのドラマが展開されていくことになった、作品のターニングポイントとなったストーリーがベルサイユのばら、19話なのです。
■精霊の守り人 19話「逃亡」
監督:神山健治
脚本:檜垣亮、神山健治
絵コンテ:増井壮一
演出:山崎浩司
作画監督:中村悟
有名作家 上橋菜穂子さんの小説を、プロダクションI.G、攻殻機動隊SACシリーズ監督の神山健治氏がアニメ化したファンタジー作品。
短槍使いの女バルサは、青弓川に流された新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムを救う。彼はその身に、この世(サグ)と重なって存在する異世界(ナユグ)の水の精霊ニュンガ・ロ・イム〈水の守り手〉の卵を宿していた。チャグムの母、二ノ妃は、バルサにチャグムを連れて逃げるよう依頼する。自身の運命に苦しみながらも成長を遂げるチャグムと、時に母、時に父のようにチャグムの成長を助けるバルサの深い絆、愛情の物語(ウィキペディアより抜粋)。
NHKで2007年に全26話で放送されたこの作品の19話は、運命に立ち向かう登場人物たちの苦悩と覚悟、そして絆が深く刻まれている話です。
自身が近い将来精霊に身を喰われて死ぬ運命だと知ったチャグムは、現状からの逃亡を図る。そんなチャグムを厳しくも暖かく引き止めるバルサの一連のシーンは、2人の関係をより深め、視聴者の感情移入をこれでもかと誘います。
涙なくしては観られない19話は、物語を語る上でとても重要な話数だといえます。中村悟さんの作画監督としての手腕も堪能でき、質の高いアニメーションですね。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?TVアニメ作品、そのクライマックスを迎える少し手前には、物語を牽引する感情の大きな変化があり、視聴者をより楽しませてくれます。
最近は1クールで終わる作品が多いですが、2クール以上ある作品ではクライマックスを迎える20話前後に最も盛り上がりを見せる質の高いアニメーションがありますので、あなたのお気に入りの作品でもいい是非確認して観てください。